前回の記事で、まずは開成中学の入試でどのような能力が求められているか、受験テクニックではなく、より本質的な能力という視点で考察してみました。
今回はそれに基づき、今回は具体的なアクションを考えてみます。
日常の中でこれらの力をどのように育てていくか
前回の記事で述べた、開成中学の入試問題で求められると私が考える3つの力。
「完全無欠の基礎知識」「早く・深く・正確な読解力」「図形センス」
もちろん4歳の息子が本格的な中学受験勉強を始めるわけではないですから、このレベルの学力が身につくために、今から子どものキャパシティを広げるイメージで、具体的な取り組みに落とし込みたいと思います。
就学前なので知育と呼ばれるものが中心です。ただ、いわゆる幼児教室などには頼らず、家庭でできる取り組みを考えたいと思います。(なにせ塾無し中学受験を目指すので、おいそれと塾を頼るわけにはいきません)
本物に触れる体験を増やす
⇒「完全無欠の基礎知識」
完全無欠の基礎知識とは、浅い理解ではなく本質まで到達する理解ということです。これは「テキストをさらって、はいおしまい」ではなく、たとえば新し単元について学習した際に「これは〇〇ということだね」と、自分の言葉で言い換え、他人に説明できる、ということです。
こうした理解ができるためにはいかに実体験を多く積むかが重要。
もちろんすべてを実体験でカバーすることは不可能ですが、実体験が増えれば増えるほど、推測したり想像する際にもクリアに頭の中に描くことができます。
博物館や展示、国内旅行、植物を育てるなど、幼少期から豊富な実体験を意識的に積んでいこうと思います。
⇒「早く・深く・正確な読解力」
特に最難関校の国語で問われる読解力(特に人物の心情理解)は、たった12歳の子どもにはなかなかリアルに想像しにくいものです。少しでも実体験を増やすことが、理解の助けになることは間違いありません。
したがって保育園や習い事などで多様な人と関わる体験が重要。同世代だけでなく、親世代や祖父母世代とも関わる機会も増やしていきたいです。
⇒「図形センス」
多くの受験本を読んでいて目にしたのが、立体図形が本当に得意な子は、
図形を自由に回転させたり、
図形を切って断面を眺めたり、
図形を内側から見たり、
といったことが頭の中でできるそうです。
正直あまり図形問題が得意ではなかった私には想像できない世界です。
ブロック遊び、粘土遊び、野菜や果物などを切る体験、など立体物に実際に手を触れる体験を多く積ませたいと思います。
絵本・本の読み聞かせ
⇒「完全無欠の基礎知識」
本を通してさまざまな世界に触れることで、好奇心を掻き立てる。「知識を得る快感」をたくさん経験させることで、自然と知識・教養が増えるように仕向ける。
幅広くかつ強力な好奇心がベースにあることが、苦手を作らず深い理解するための助けになると思われます。
⇒「早く・深く・正確な読解力」
語彙力を高めつつ、深く内容を読み取る訓練をするには、幼少期の読み聞かせが有効。
したがってジャンルや読み方には注意すべきで、良質な読書体験を積ませたい。
すでに4歳長男は本好きですが、引き続き読み聞かせを通した親子のコミュニケーションを大切にしていきたいと思います。
図書館、くもんの推薦図書などを活用して、量と質を確保していきます。
親も子も疑問に思ったらすぐに調べる
⇒「完全無欠の基礎知識」
「納得するまで調べないと気持ち悪い」という感覚を身につける。知識が増えればさらに疑問が出てくるので、知的好奇心を育てる好循環になるはず。
図鑑、インターネット、youtube、なんでも活用。
子どもだけでなく、親自身も好奇心をもって生きている姿を見せることで、親子で「へー!そうなんだ!!」と驚きや感動を大切にしていきたいです。
より基盤となる力
開成中学の入試問題に沿った力について述べましたが、以下ではより根本的かつ重要な能力について考えてみます。
学習習慣
開成中学の入試問題を分析するまでもなく、「学習習慣」は大事です。
「勉強するのは当たり前」と刷り込んでおきたいですね。
幼児期なのでせいぜい1日15分程度でしょうか。
Z会幼児講座を受講し始めました。サクサク進むので、補足に何か教材を追加しないと、月の半分ほどやることがなくなってしまいます。
くもんなどでの計算の先取りも検討していますが、あくまで今は子どものキャパを広げるべきだと考えているので、空いた時間をどのように過ごすか検討中です。
まずはZ会をコツコツ丁寧に取り組んでいきます。
学習観
勉強は楽しいという「学習観」はさらに大事です。
開成中学のようなハイレベルな入試問題を解けるようになるためには、それだけの大変な苦労があるはずです(一部のずば抜けた天才を除く)。だから「勉強は楽しい」という価値観が根底になければ、あのレベルまで到達できません。
したがって幼少期の今はとにかく親子で笑いあいながら、毎日のリビング学習を楽しく過ごし、「勉強は楽しい!」という記憶を積み上げていきます。
具体的には、絶対に怒らない、イライラしない、笑顔第一、親子で何事も楽しむ、など。
主体性
学習観とも重なりますが、開成中学の問題レベルに到達するには、何度も高い壁を超えなくてはなりません。
「親から言われたから受験勉強する」という受け身な姿勢では、単なる苦行ですから、とてもあのレベルまでの成長は難しいでしょう。
また我が家が目指すのは塾無し中学受験なので、より一層の主体的な学習が必要となるはずです。
したがって、親としては子どもの主体性を引き出すコミュニケーションを心掛けたいと思います。
具体的には、命令しない、子どもに決めさせる、集中・熱中しているときは邪魔をしない、子どもの意志を尊重する、結果を責めない、など。
最後に
まだ4歳の息子ですから、教科学習ではないためどうしてもぼんやりしたアクションになりがちですが、好奇心旺盛で主体的な姿を、親が見せ、一緒に楽しみ学んでいくことが一番大切なのではと考えています。